火の章 サルに学ぶ





  2 サルに何を学ぶ
 
 気功や太極拳の老師の腕が、まるで「サルの腕のように長い」と感じたことはありませんか?太極拳の上手な人が太極拳の動作を行うときには、なぜか腕が、平常時に比べて長く感じられるものです。

 それは、単に感じられるだけではありません。実際に上級者の腕は、まるでサルの腕のように伸びるのです。太極拳の上達を望む人にとって、このことは無視できない重要ポイントです。

 気功や太極拳の先生が口癖のように強調する事は、「放鬆(ファンソン)」です。そしてそれを聞いた生徒は、単純にそれは力を抜く事であるととらえ、足腰の筋肉を「緩めて」しまいます。もちろん肩やひじに余計な緊張があってはいけないのですが、「放鬆」とは単に緩める事ではないのです。

 ではどうすればいいのでしょうか?

 いい方法があります。サルに学ぶのです。太極拳の実践者にとって、猿は先生です。サルの腕のように腕が長くすなるように努力してください。

 もしもこの学習なしに、外見的にサルの動作を学ぶだけなら、それは単なる「サルまね」であるといわざるを得ません。
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